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「アリス・イン・ワンダーランド2 ~時間の旅~」(3D字幕版)を観てきました。

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「アリス・イン・ワンダーランド2 ~時間の旅~」を立川シネマツーのbスタジオで観てきました。
実は、1は見逃していて、6月中にDVDを借りて観ました。
映像特典もついていて、おもしろかったです。
ジョニーとティム・バートンがスケッチしたマッド・ハッターのイメージがそっくりだったりとかね。
ジョニーが、帽子屋についての本を読んだら、昔は帽子つくりに水銀を使っていたと書かれていたそうで、本当におかしくなる人がいても、おかしくないって思ったという話は、興味津々。そういう本が会ったら、読んでみたいと思ったし、「俳優さんは、そういう風にして役作りをするんだなぁ」って思って、ジョニーの新しい一面を知ることができて良かったです。
前作「アリス・イン・ワンダーランド1」の方は、ティム・バートン監督作品で、今回はティム・バートンは製作に回り、ジェームズ・ボビンが監督を務めています。
と言っても、キャストも同じだし、世界観もそのまま引き継いでいました。

個人的には、、、アンドリュー・スコットが出るらしいのだけれど、相変わらず、映画を観るまで、そして出てくるまで役がわかりませんでした!
今回は、アリスが、一回元の世界に戻ったときに、病院に入れられていて、そこの担当医の役で、ちょっとマッドな雰囲気でしたね。
そうそう。アリスを病院に入れたのは、前回でアリスに結婚の申し込みをして断られたヘイミッシュですが、、、ヘイミッシュって、「SHERLOCK」のジョン・ワトソンのミドルネームですよね。何故か、急にはまりました。
そして、アンドリューの役は、少しモリーっぽいかしら?と思ったりしつつ、、、結局アンドリューは、その一場面だけしか出てこなかった!
どうなんでしょう?現実世界の人物でしたが、普通のメイクに白衣の衣装で、十分に不気味さを感じさせる演技でした。
でも、まだまだ、ちょい役です。。。
応援のし甲斐がありますね!(前向き!)
そして、この映画で、ジョニー・デップと出会ったということが重要です、この先!

前回の「アリス」を観ていて感じたのは、ジョニーの役のマッドハッターがアリスに「他人と違うということは、君は素晴らしいということなんだ」っていうことを、繰り返し伝えようとしていたことでした。
映画の中では、アリスは小さい頃に一度「ワンダーランド」に行っていて、とても勇敢だったらしい。
それから数年経ったアリスは、大好きだった父親を亡くし、父の仕事の関係の社長の息子ヘイミッシュにパーティーで求婚され、戸惑いを感じている。
そんなパーティーの最中に、アリスがまたワンダーランドに入ってしまい、「あのアリスが来た」と歓迎されたのだけれど、「強さをなくした」と言われてしまう。。。
みんなの言う「強さ」とは?
大人になる過程で求められる「女の子らしさ」「女性らしさ」と、そこに感じる居心地の悪さ。
そして、もともと子供の頃から感じていたらしい、「普通」とその枠におさまっていられない自分との葛藤。
そんな葛藤や居心地の悪さから、アリスは「自分らしさ」を出せなくなっていた。
それが、アリスを弱くしていたんですね。

観た時期が、ちょうど東京レインボープライドの後だったので、「LGBTの悩んでいる若い人たちに、このメッセージが伝わったらいいな」と思いながら観ました。
が、、、ジョニーの一番近くにいるはずの人に伝わっていなかったとは、、、悲劇です。

前回のアリスは、ワンダーランドでの経験で再び強さを取り戻して、現実世界に帰ってきます。
そして、ヘイミッシュの求婚を断り、父の残した船に船長として乗り込み、中国へ旅立ちます。

今回の「アリス」は、その航海を終え、海賊船を巻いて、無事に戻ってきたところから始まります。
父の友人だった会社の社長は亡くなり、息子のヘイミッシュが跡を継いでいました。
そして、ますます嫌な奴になっているヘイミッシュ!
アリスのいない3年の間に、別の女と結婚して子供もいました。
そして、アリスの母と契約し、父の形見である船を取り上げようとしている。
それはつまり、アリスの「船長」という仕事を取り上げようとしていることでもあり、代わりに「事務員」の仕事をやると言ってきます。

そんな時に、アリスは、青い蝶となったアブソレムに導かれ、またワンダーランドへ。。。
皆が言うには、「最近マッドハッターがおかしい」。。。
話を聞いてみると、ふさぎ込んでいるらしいのです。
それはおかしい。。。
話を聞いてみると、「家族が生きているのではないか?」というのですが、マッドハッターの家族は、ジャバウォッキーに殺されていたのです。(それで1ではアリスがジャバウォッキーを殺したのですね)
「アリスは信じてくれるよね?」というマッドハッターに「それは不可能」と言うしかないアリス。。。
だが、白の女王に話を聞くと、時間を操る「タイム」が持っている「クロノスフィア」で時間を遡って、「家族が死ななければいいのでは?」と言うことになり、「タイム」のもとに行くアリス。。。
タイムの持っている「クロノスフィア」@「アリス・イン・ワンダーランド」の世界
▲クロノスフィア(現物)

そして、クロノスフィアを手にしてからの時間を遡る旅では、ワンダーランドの住人たちの過去を知ることになります。
赤の女王の少女時代役の子が、似ていて、とても可愛い♪
そして、、、マッドハッターの言う通り、彼の家族は生きていました。
また、マッドハッターが家族と離れて孤独に暮らしていた理由もわかり、それも、父親との想いのすれ違いが原因だったとわかります。
それにしても、あの白塗りの顔で、喜びや落胆、怒りなどの感情を表現するジョニー、凄いです。
もちろん、メイクで表しているところもあるのだけれど、顔だけじゃなく、全身で感情を表していて、、、ずーっと観ていたいですね。叶うことなら。。。
特に、嬉しいときなどの可愛さ♪
席でジタバタしちゃいますよ!(前が空いている席でした!)
※そう言えば、昔の白塗りのお化粧では、白粉に水銀が入っていたりしたので、マッドハッターが白塗りなのも、そこに繋がるのかも?ジョニーの映画では「リバティーン」のロチェスター卿も、少し白塗りだったような記憶があるけど、あれも男性だけど化粧をしていたのかな?

今回は、やはり「家族の死」などから、時間や過去にとらわれるのではなく、「今」を生きることが大事だというのが表のテーマでしょう。
その裏では、やはり、「女性らしさ」などの「普通」の枠からはみ出てしまい、まだ女性の仕事が限られていた時代に、誰かの「妻」になる道ではなく、またその財産を切り崩して生活するのでもなく、自ら「働く」という自立の道を目指したアリスがいます。
最後には、そのアリスに理解を示してくれる母。。。
女性の自立だけでなく、「自分らしさ」が出せなくて悩んでいるすべての人に届くメッセージを持っている映画だと思います。
最後に、母と一緒に会社を興し、また航海に出るアリス。
また旅から戻ったら、ワンダーランドへも旅することになるのでしょうか?

タイトルロールで、今作が遺作となってしまったアラン・リックマンへのメッセージが添えられていて、泣きそうになりました。

今回は、立川シネマツーbスタジオでした。
シネマツーは全館「KICリアルサウンドシステム」を導入しているので、極爆と言っていなくても、ほぼ極爆なのです。
今回の「アリス」も、3Dでの視覚的な迫力と同時に、音でも振動を感じることができました。
やっぱり立川シネマツーで観て良かったなと思いました。

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「パレードへようこそ」(原題「PRIDE」) ビル・ナイ様の不器用さにやられる♪

パレードへようこそ」は、昨年の「TOKYO RAINBOW PRIDE」の頃に知り、興味を持っていた映画でした。
その頃は、まだ、アンドリュー・スコットのことは知らなかったのだけど、この映画に出ていると知り、ちゃんと観ようと思ったのです。

そして、思いがけなく、ビル・ナイ様も出ていることもわかり、ちょっとワクワクで観ました。

ふたりとも、もっと出番が少ないのかと思っていたのですが、アンドリューはロンドンのLGSM(Lesbian&Gay support Miners)側で、ビル・ナイは炭鉱町の労働組合の書記係として、割とキーとなる役でしたよね。
アンドリューの役ゲシンは、北ウェールズ出身で、LGSMが支援に行く南ウェールズの炭坑の町ディライスを地図で見つけるきっかけを作りました。また、LGSMに活動拠点となる部屋を、貸していました。
なので、「たぶん、ウェールズ語でしゃべっているんだろうな?」というシーンもいくつか登場しましたね。全く英語と違うようにしか聞こえませんでしたが。
そして、南ウェールズの炭坑町に来て、自己紹介をすると、「ここでは同性愛者はいいけど、北ウェールズの人間だけはダメ」というきっつーいジョークの餌食に。。。笑。
この辺りから、ビル・ナイの役クリフが、初対面でジョークにどっきりしているゲシンの肩をトントンってしたり、ゲシンを「息子」(Welcome home,son.)と呼んだり、「ん?」というシーンがあったんですが。その勘は、当たっていたみたいで。勘と言っても、本当に「ん?」と気になっただけだったんですが。

クリフは、途中で、「自分はゲイだ」と、同じく労働組合の委員長であるヘフィーナに告白しますが、ヘフィーナは「私も、ちょっと前から、そうなんじゃないかと気付いていた」と言い、クリフがびっくりしている、その反応がおもしろい。しかもヘフィーナさん、「ちょっと前」と言いつつ、「1968年から」って、この映画で描かれているのが1984年のことなので、それでもだいぶん前なんですけど。このふたり、おそらく幼馴染なんでしょうね。「ちょっと前」と言いつつ、「だいぶん前」っていうのに、ふたりの関係がわかったし、だからこそ、ヘフィーナさんはゲイに偏見もなかったんだとも思います。
※もしかしたら、ヘフィーナさんは、若い頃(1968年)クリフにアプローチしたんだけど、まったく気付いてる素振りもなくて、それで気付いたとか?!もあるよね。
このシーンは、すごく好き♪ヘフィーナが食パンにバター(?)を塗り、クリフが切るという作業をしているのだけど、それまで対角線で三角に切られているのに、クリフは四角く切っちゃうわ、不器用さが可愛すぎる
アンドリュー目当てで見始めたはずが、思いがけなく出ていたビル・ナイ様にやられてます。
※少し前に「マリーゴールドホテル 幸せへの第二章」を観たんですが、これでもビル・ナイ様の不器用さにやられていました。

あと、ゲシンは、仕事がなくてふらふらしている恋人(俳優)のジョナサンが心配で、何かに関われるようにとLGSMに参加したのだけれど、はじめは乗り気じゃなかったジョナサンが、炭坑町のパーティーで、町の女性が「この町の男は、ダンスが踊れない」と言うのを聞き、ダンスを踊りだしたのが、町の人たちと打ち解けるきっかけにもなっているんですよね。
※そのダンスを踊りだす前にかかっていた曲が、カルチャークラブの「カーマは気まぐれ(Karma Chameleon)」だったり。(他の曲も気になる)
また、ゲシンは、最初の訪問には行かなかったのだけれど、それは故郷の母親との確執があったからで、二回目の訪問についてきたときも、バンを降りた途端「やっぱり来なければよかった」と言い出すくらい。。。(あんまりいい思い出がないんだろうなぁ。)
そして、その後、ヘフィーナクリフに挨拶に行くと、「北ウェールズの人間はダメ」という例のシーンで。笑。
アンドリューと、ビル・ナイ様のツーショット!わお♪
クリフは、ゲシン同郷っていうだけじゃない、親しみを感じているように思ったんですね。
クリフもシャイだけど、ゲシンはもっとシャイな感じだしね。
そう言えば、クリフって独身なのかしら?それで息子みたいに思ったのかな?
そのためか、ゲシンも「ウェールズにいて、素のままの自分でいられる」と、疎遠になっている母親に会いに行くことを決めます。結果は、後ほど、ゲシンが入院したときに、母親が会いに来てくれることで判明。良かった。。。

この話も実話を基にしていて、翌年1985年のゲイ・プライドに、炭坑夫たちがバス何台もで乗り付け、(元は、LをLONDONと思ったダイが、スピーチでした約束)先頭をパレード。
映画の中で、何度も出てくる「手を繋ぐ」イメージは、炭鉱町ディライスの組合の旗にあり、ダイが、マークに「いつか見せる」と言った「友情」の証ですね。
その後も、労働党大会で、党の規約に同性愛者の権利を盛り込むことが可決され、それには、全国炭鉱労働組合の全会一致の支持があったからだそう。
全会一致というのは、、、あの人もでしょうか?
偏見のある人が「わたしは、偏見は持っていないんだけどね」と前置きして、語り出すのが、「それを偏見っていうんだよね」っていう内容なのは、どこでも一緒なんですね。
あの人を変えたのなら、本当に凄い。。。

LGSMを支援者として呼ぶかどうかを話し合っているところに偶然居合わせて、組合の委員になったシャンは、ジョナサンのアドバイスの後、大学へ行き、地方初の女性議員となったそうで、「LGBTの問題は、すべての人の問題につながっているんだなぁ」と思いました。

あと、、、LGSMの主要メンバーが、全員、いわゆる「おネエ系」ではなかったのも良かったです。
日本では、ゲイに対するイメージが「オネエ」だったりするんだけれど、これもいわゆる偏見だと思うよね。
彼らも「素のままでいられる」ように。。。


映画「パレードへようこそ」予告編

by カエレバ

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