塚本晋也監督の自主制作映画「野火」を見てきました。
実は、この映画、Twitter等で、塚本監督が制作ボランティアやエキストラを募集されていて、自主制作で作られていて、とっても参加してみたかったのですが、やはり仕事があるので、参加を諦めてしまっていたのです。
出来上がってみたら、戦後70年のこの年に、戦争映画で、しかも塚本監督作品にも出演されている中村達也さんも出演されていて、、、とっても後悔しました。(ちょっとミーハーな気持ちもあって、すみません。)
※その後悔から、今、とある別の映画のエキストラに応募して、参加中です。こちらは、半日くらいで、希望のときだけ応募できるので、ちょっと気楽です。
映画館は、渋谷ユーロスペース。
お昼は、インドカレーを、ナンをおかわりして、お腹いっぱい食べました。
これ、正解でした。
実は、塚本監督の「BULLET BALLET」を見に行ったとき、その前にも映画を見ていて、映画館のはしご。
間に、ご飯を食べる時間がなかったので、空腹でいったら、、、かなりのダメージ。。。
そのときの映画館も、「もしかしたら、ユーロスペースだったかしら?」と思いながら席につきました。
実は、たまに迷子になる渋谷で、久しぶりに迷子になり、道玄坂界隈を炎天下の中、うろうろ。。。
この行動も、この映画を観るに当たり、ちょうどよかったかも?
それというのも、この映画では、塚本晋也監督自ら演じる主人公が、延々と熱帯の戦場を歩き続けるのです。
違うのは、満腹か(わたし)、空腹か(主人公)、それだけ。
この映画は、「はじめから最後まで、食べることに執着している映画だった」とも言えると思います。
戦場という場所においても、人は、食べることに執着していて、そして、それが極限にまで達すると。。。
この、食べることに執着している人たちの戦場を見ていて、、、
その人たちは、何故、そこにいて、戦争をしているのか?わからなかった。
狂気の沙汰なのか。理不尽なのか。
そして、とても馬鹿馬鹿しくなった。
もちろん、「戦争」と言うものが。
そして、「戦争映画」というより、「ホラー映画」と言っていいくらいの、塚本ワールド。
映画を観ながら思っていたのは、、、事前に知っていた「自主制作」ということについて。
全然「自主制作」の雰囲気ではなかった。
「これは、どこで撮ったの?」とか、「これは、どうやって撮ったの?」とか。
そんなことばっかり考えて観ていたわたしは、あまりいい鑑賞者ではなかったかもしれない。
「自主制作の戦争映画なんですよ」なんてオススメしていたのを、少し後悔している。
たぶん、「自主制作の戦争映画」なんて、あまりおもしろそうじゃない。
だけれど、この映画は、圧倒的な空気感を持った、塚本ワールド全開のバイオレンス&ホラー映画だった。
伝えなければならないのは、こっちのほうだった。
だけれど、、、「戦争映画」「自主制作」と思って観て、塚本映画に圧倒されて欲しいという思いもある。
間違いなく、この夏、日本人なら、観ておくべき映画のひとつです。
もちろん、「ひとつだけ挙げろ」と言われたら、わたしは迷いなく「野火」を挙げます。
あと、、、塚本晋也監督映画のほぼ専属主演俳優が、、、いい味出し過ぎですよ。
戦場にいるときより、戦地から戻ったときの方が狂気を感じるんだけれど、どうなってるんだ?
リリー・フランキーさんも凄かった。
リリー・フランキーさんだと信じたくないくらい。。。
俳優さんたちは、ほぼ泥にまみれているため、声を聴いて、しばらくしないと誰かわからないくらいの感じなので、まさに演技が勝負の世界だった。
ここで、存在感や個性を出すのって凄い。
それから、、、こんな凄い映画を撮っておきながら、Twitterで、感想にリプライをくれる塚本晋也監督のギャップも素敵です。
「野火」のトークショーなどには、予定が合わなさそうですが、もう一回くらい映画館で観ておいてもいいかな?とも思います。
うーん、やっぱりトークショーで塚本監督に会いたいなぁ♪